ニューヨークで過ごした1970年代

『ジョン・レノン、ニューヨーク』ニューヨーク時代のジョンに焦点を絞った作品

ふたりで過ごした1970年代

1970年代に入り活動の拠点をニューヨークへとおきますが、その頃にはジョン・レノンはミュージシャンではなく反戦運動活動家だと思われていました。もちろんオノ・ヨーコは前衛芸術家としての顔ではなく、ジョンと一緒にベトナム戦争反対を訴える反戦運動活動家と見なされていました。もちろん実際に2人は、アメリカに渡米してから多くの政治活動に積極的に参加しています。

平和を我等に

ビートルズはほとんど活動していない状況でしたが、1970年4月10日にポール・マッカートニーがオリジナルソロアルバム『マッカートニー』を発表したことで、実質的にビートルズが事実上解散しました。ジョンはというと、アメリカで精神療法を受けていました。アーサー・ヤノフ博士が提唱した『原初療法』を受けていましたが、この療法は4ヶ月で打ち切られてしまいます。それはアメリカ政府がジョン・レノンの長期滞在を認めなかったからです。


拠点をニューヨークに

ジョン・レノンとオノ・ヨーコの拠点をニューヨークに移します。ニューヨークへ活動の拠点を移したのが1971年9月。2人はグリニッジ・ヴィレッジに活動の拠点を移していますが、どうしてジョンはニューヨークを選んだのでしょう?!

ジョン・レノンはイギリス人ですが、今もそうですが世界の中心といわれたニューヨークで活動することを強く望んでいたからです。二人が住んだダゴダ・ハウスの部屋からはセントラルパークを見下ろすことができ、ジョンとヨーコはこの公演で2人でよく散歩に出かけたといいます。現在セントラルパークの中に「ストロベリー・フィールズ」というメモリアルパークがありますが、もちろんメモリアルパークの名前はジョン・レノン曲にちなんだ名前で、円形の記念碑には「IMAGINE」と書かれています。

ニューヨークに拠点を移す少し前の6月に「IMAGIN」の制作が開始されています。アルバム「IMAGIN」には、ギターにジョージ・ハリスン、ドラムスにはアラン・ホワイトとジム・ケルト、サキソフォーンにはキング・カーティスが参加して、発売と同時に大ヒットとなりました。

『人々に力を、民衆に権力を!』

「IMAGIN」の大ヒットの後、活動の拠点をニューヨークに移していますが、活動の場をニューヨークに移してから多くのミュージシャンや反体制活動家と知り合いになります。そしてジョンとヨーコも積極的に政治的な活動に参加しています。そのため、FBIやCIAからジョンとヨーコはマークされるようになりました。ジョン・レノンが行った政治的な活動で有名なものがあります。

「ジョン・シンクレア支援コンサート」です。ジョン・シンクレアというベトナム戦争に対しての反戦運動活動家は、ジョン・シンクレアを大麻所持で逮捕しましたがその実刑が通常の大麻所持よりも、もっと重い懲役10年という判決をくだし、ジョン・シンクレアは服役していました。

そこでジョン・レノンは「John Sinclair」(ジョン・シンクレア)という活動家の名前そのままに楽曲を制作して、1971年12月10日に行われたジョン・シンクレア支援コンサートで曲を初披露します。そしてこの支援コンサートの数日後に、ジョン・シンクレアは釈放されました。

そしてもうひとつは、アッティカ刑務所の入所者家族のための慈善コンサートです。ジョン・レノンは特定の政党を支持したことはありませんでしたが、左翼的なフレーズの『人々に力を、民衆に権力を!』のフレーズを立てて、アメリカ国内でデモ行進をしています。その当時のニクソン政権からすると、ジョンのこうした活動は苦々しい限りで、1972年3月6日にジョン・レノンのアメリカ滞在短期ビザが取り消されています。発表によると、1968年の大麻所持での逮捕が表向きの理由になっていますが、実際のところジョン・レノンの反戦運動活動や平和運動活動をしていたことが当局からすればおもしろくないと思っていたからこそのビザの取り消しだといわれています。

ジョン・レノンのビザ問題は延々と続いていましたが、アメリカの政権がニクソン大統領からフォード大統領へとかわって、アメリカ政府風向きも変わった頃1976年7月27日に、ジョン念願のアメリカの永住権を取得しました。


イマジン

ジョン・レノンにとって、最大のヒット作は【IMAGIN】イマジンです。イマジンは1971年に発表されていますが、全英・全米そして日本でも総合チャートともに1位を記録しています。「イマジン」では、ひじょうにシンプルな言葉で、平和を訴えていますが、内容は宗教や人種の対立から起こる憎悪を無意味なものとして、平和を訴えている歌です。

アルバムのイマジンには、政治色が強い楽曲『I Don't Want to Be a Soldier』(兵隊にはなりたくない)が収録されていますが、この曲は直接的に反戦を歌っていて、兵隊だけではなく、弁護士、水兵、資産家、牧師、乞食などの名前を挙げて、すべてを全部否定するという内容になっていますが、根幹に流れているのは「自分を偽りたくない」というメッセージが込められています。

そして、イマジンにはもうひとつ。ポール・マッカートニーを徹底的に誹謗中傷した曲の「How Do You Sleep?」(眠れるかい?)も収録されています。楽曲のレコーディングには、ビートルズ解散前にポールと一番険悪な中だったジョージ・ハリスンも参加していて、徹底的に誹謗中傷していますが作曲の作業の場所にはリンゴ・スターも同席していました。曲が出来上がるにつれて、あまりの酷さにリンゴは不機嫌になりジョンに「もう、やめとけ」と忠告したほどです。その場にいた人がいうところによると一番最初にできた歌詞は、発表されたものよりもはるかに下品でとてもじゃないですが、レコードで聴けるような曲ではなかったようです。ひじょうに大人気ない・・。というのはこのことですね。

イマジン:収録曲

  • Imagine…イマジン
  • Crippled Inside…クリップルド・インサイド
  • Jealous Guy…ジェラス・ガイ
  • It's So Hard…イッツ・ソー・ハード
  • I Don't Want to Be A Soldier…兵隊にはなりたくない
  • Gimme Some Truth…真実が欲しい
  • Oh My Love…オー・マイ・ラヴ
  • How Do You Sleep?…ハウ・ドゥ・ユー・スリープ?(眠れるかい?)
  • How?…ハウ?
  • Oh Yoko!…オー・ヨーコ

ジョンとヨーコ